今回は「随伴行動」について話したいと思います。
「随伴症状」とも言いますがどもった時に言葉が出やすくするために行う動作のことを言います。
具体的には
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- 足を踏み鳴らす
- 腕を振る
- 膝を曲げる
- 手で腰を叩く
- 腕をばたばたさせる
etc
吃音者は言葉を出しやすくするために、なんらかの随伴行動をやっています。
吃音の症状の一つに「ブロック」という言葉が出てこないものがあります。
喉がこわばって息ができなくなり、顔が真っ赤になったりして本当に言葉が出てこないんです。
- 喉元まで言葉があるのが分かるのに、そこから上に上がってこない。
- 言いたいことがあるのに、苦しくて言葉が出ない。
- 相手にも怪訝な顔をされる。
- だからよけい焦って言葉が出てこない。
そんな負のスパイラルで吃音者にとってはブロックが一番きつい時間かもしれません。
その時に偶然手を振ったら言葉が出てきた。
だから次に喋るときも言葉が出やすいように手を振ってしまう。
こんな感じで何かの動作をした時に言葉が出てくることがあったので、その後も喋るときにその動作をつけるようになってしまいます。
僕の場合は、
- 指揮棒みたいに手を振る
- 寿司を握るように右の人差し指と中指の2本で左の手の平を叩く
- 口元に手を持っていく
などがあります。
手を振る動作などは人前でスピーチするときには意識的に行うこともあります。
吃音はリズムを取るとどもりにくくなるので、メトロノームのように両手を振りながらスピーチしています。
どもらない人でも演説の時に手を振っている人もいるので、あまり不自然ではないと思いますが。。。
誰かに随伴行動を指摘されたときは「これをすると言葉が出てきやすい」と言っています。
何もしなくて言葉が出ないなら多少不自然でも言葉が出るほうがまだいいですからね。
しかし随伴行動の欠点は一貫性がないということです。
手を振って言葉が出たから次も手を振れば言葉が出てくるとは限りません。
予測不能なんです。
前は出たのに今は言葉が出てこない。
吃音者はそこで落ち込んで、言葉を出そうと新しい随伴行動を起こします。
この時に焦ってしまい、目立ちやすい随伴行動をとると指摘されてしまいがちですが、どうか分かってください。
わざとやっているわけでもなく、ただ「言葉を出したい」だけなんです。
行動より話に興味を持ってください。
特に小学生や中学生では手をばたばたさせると「ペンギンみたい」「変なの」とからかわれいじめのきっかけにもなることも大いにあります。
先生も知識がないと「ふざけている」とか「わざとしている」と捉えてしまうかもしれませんが、
先生の「わざとしているのではない」「笑ってはいけない」という他の生徒への毅然とした態度が必要です。