今日は久しぶりに体験談を話したいと思います。
しかも今日体験したばかりのフレッシュな体験談です。
新しい仕事の引継ぎをされました。
その仕事というのは会社で使用する軽油をガソリンスタンドに電話で発注するというものです。
作業内容自体は難しいものでもないし、そんなしょっちゅう無くなるものでもないのですが、“電話で”というところに何とも言えないドキドキを感じました。
職場では僕の吃音のことは知られていますが、特に問題にもならず僕自身も気にせず普通にどもりながらもコミュニケーションを取っています。
だから上司も気にせずに僕に任せてくれたのでしょう。
ではどうしてあの独特のドキドキ感が襲ってきたのかと言うと理由は2つあります。
- 会社の名前をどもらずに言えるかという不安
- 吃音であることを電話相手に知られたくないという思い
まず会社同士の電話というのは「お世話になります。〇〇(会社の名前)です」という挨拶から入るのが普通ですよね?
「お世話になります」はまだ母音なので、僕にとっていは言いやすい言葉です。(時々言いにくいですけど・・)
問題なのは次の会社名で、“言い換えができない”というのが一番の問題なんですね。
個人的に何かを問い合わせたり注文するのは自分の名前を言うとき以外は、自由に言い換えができるのであまり緊張せずに電話することができます。
しかし固有名詞である会社名はどうしても言い換えができない状況であり、しかも「どもったりしたら会社の評判にも影響があるかも?」などと考えてしまうこともあります。
というのも以前受けた就職面接である会社から「どもりが電話に出ると会社の評判が悪くなる」と面と向かって言われたことがありました。
その時は「こんな会社はこっちからお断りだ」と憤慨して気にしてはいなかったのですが、どこか心の中に残っていたのかもしれません。
恐らく会社の評判に影響があることはないとは思いますが、吃音者はそんなことまで気にしてしまうこともあるんです。
そしてもう一つの「吃音であることを知られたくない」という思いは未だに消えていないのだということを改めて実感しました。
これだけ吃音と向き合ってふっきれて吃音セミナーを開催して色んな人に伝えているにも関わらず、そういう思いがあることもやはり事実なんです。
特に電話は顔が見えなく、初めて話す相手が多いので余計にそう思ってしまうのかもしれませんね。
さて電話をかけました。
「お世話になります。」までは普通に言えました。
しかし予想通り会社の名前がつまってしまい出てきませんでした。
5秒ほど「・・・・」の沈黙が流れ、焦ると余計言葉が出てこないという例の悪循環に陥ってしまいました。
電話の向こうでは「はい??」と当然の予想された言葉が。。。
そしてやっと「〇〇(会社の名前)」が出ました。
それでやっと会話ができ、その後の要件は普通に伝えることができました。
電話を切った後は、特に落ち込むこともなかったですね。
吃音者はどもっても言いたいことを言い終えることができれば案外平気なもんなんです。
でも言いたいことを言えずに妥協してしまう方が心に残るもんなんです。
- 食べたいメニューが言えないから別のもので妥協してしまった・・・・
- どうしても欲しいものがあるのに名前を言えなくて結局諦めた・・・
吃音者は日々そういう葛藤と戦っているんです。