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「噛む」ことと「どもること」は全く違う!同じにしないで!


みなさん

バラエティ番組で芸能人(特にお笑い芸人)が言葉に詰まったり言い間違えたりすると笑ったりしませんか?

最近ちまたでとてもよく使われている新語の「噛む」という状態です。

 

彼らはお笑い芸人なので、そのようなピンチの状態でもうまく笑いに変えたりすることができます。

逆に噛むことをウリにしている芸人もいるくらいです。

 

彼らはそれで個性を出しているので問題ないのですが、困ったことに「噛むこと」「どもる」ことを同じだと思っている人が多いんです。


 

僕が営業の仕事をしていたころは吃音が出ると相手に「噛んだ」とか「噛みすぎ」とか笑われたこともありました。

その場は愛想笑いをして切り抜けましたが、根本的に「噛むこと」と「どもること」は全くメカニズムからして違うのです

 

そもそもいつから「噛む」という言葉が定着しだしたのか?

軽く調べたら元々は「舌を噛む」という慣用句が短縮されてできた言葉らしいです。
それ以上のことは分かりませんでした。

 

それはともかく以前この記事でも載せましたが、ぜひ覚えてほしいことなのでもう一度とりあげます。

吃音はどこで起こる?口ではないんですね。ではどこで?

 

「吃音は話す前に頭の中で既にどもっている」
「噛むことは話すときに、言葉に対して口が追い付ていない状態」

 

同じような意味で「突っかかる」という表現もありますが、ほぼ噛むことと同じ状態です。

 

すごい気が焦ると言葉が出てこないことないですか?

言いたい言葉が出ずにアワアワしてしまったり、早口になって突っかかってしまったり、言葉を言い間違えた経験は誰にでもあると思います。

 

 

しかし吃音はどんなに落ち着いていてもリラックスしていてもそれこそ独り言でもどもるんです。

 

もちろん気が焦っている時にはどもりやすくなることも事実ですが、噛むこととメカニズムが違うということを覚えてください。


僕が小学生だった30年くらい前は「噛む」という表現がなく、「どもった」とか「宇宙人みたいな喋り方」とか「突っかかった」とか色々言われました。

 

今はどもっても「噛んだー!」と突っ込めば笑いに変えられると思われているかもしれませんが、芸人ののりで突っ込まれると吃音者はとても傷つきます。

 

  • 「噛みたくて噛んだんじゃない」
  • 「できるなら普通に喋りたいのに」
  • 「わざとじゃないんだし笑ってほしくない」

 

そんな葛藤を色々抱えながら笑われているのです。

周りからしたらおいしいかもしれませんが、本人はとても苦々しい思いでいっぱいです。

 

噛んだ芸人はプロなので笑っても大丈夫ですが(本人はどう思っているか分かりませんが)、吃音者もどもったら笑っていいという考えがクラスに広まるといじめや不登校の原因になったりもします。

 

また学校だけでなく、会社や社会生活においても「噛む」ことと「どもること」の区別をしてもらい、吃音者が安心して話せる環境を広めていってほしいです。