僕は通勤や日常生活で車を利用しているので、当然ガソリンを入れなければいけません。
地元にいたころは話さなくても全て事足りるセルフスタンドを利用していました。
しかし、現在の居住地に引っ越してきてからはセルフスタンドが見つからないので、やむを得ず普通のスタンドで店員さんに入れてもらうようになりました。
そうすると今まで気が付かなかったのですが、「レギュラー満タン」という言葉は僕にはとても言いにくい言葉であることが分かりました。
給油場所に車を止めて店員さんに「レギュラー満タン」と告げる際に「レレレレ・・・レ」とどもってしまいます。
いつから「ほうきを持って家の前をはいているおじさん」になったんだとセルフツッコミを心の中でしてしまいますが・・・
この場合吃音者にとって厄介なことは2つあります。
それは
- 言い換えができない
- 指さしで説明ができない
まず、言いにくい「レギュラー」という言葉を比較的言いやすい「ハイオク」と言い換えることはできません。
価格も高いしエンジンに不具合を起きるかもしれません。
そして
レストランなどでは食べたいものの名前がどもって言えない時はメニューを指さしながら言うと言いやすくなり伝わりやすいです。
吃音者がよく使う手ですが、指を指しながら言うと言いやすくなることが多いのです。
最悪 指さしながら「これ!」と言ってもいいですし・・・
しかし、ガソリンスタンドではわざわざ車から降りて指さすことができません。
以上の2点から「レギュラー満タン」と言わないと伝わらないのです。
きちんと油種を言わなくてはいけない。
しかしどもってしまう。
その焦りがさらなるどもりを生む という悪循環になってしまいます。
毎回どもりながらも何とか絞り出して言っています。
しかし
ここで分かってほしいのは
吃音者にとってどもっても最後まで言えた場合というのは自己嫌悪に陥ることがなく案外覚えていないものなんです。
逆に
どもるから自分の欲しいものを変更したり我慢したりしたことは結構自己嫌悪やトラウマとして覚えていることが多いんです。
つい最近もうどん屋に行った際、「肉うどん」と言おうと思ったのですが、言葉が詰まってしまい、「・・・・」と5秒ほど言葉が出てきませんでした。
この時は店員の人に怪訝な顔をされました。
こんなことはよく経験しているとはいってもやっぱり慣れないもんですね。
以前の僕だったらそこでどもらずに言えるメニューに変えていたと思いますが、頑張って何とか肉うどんを注文することができました。
どもっている時は確かに辛いですが、言い終われば「どもってもちゃんと注文できた」という喜びの方が大きいのです。
吃音は「吃音から逃げずに言うことができた」という積み重ねが心理的に吃音者を楽にしてくれるところがあります。
ガソリンスタンドでもうどん屋でも店員さんはどもっても時間はかかっても伝われば何事もなかったかのように対処してくれるのでさすがサービス業でとてもありがたいです。
そういう対応をしてくれるお店はまた次回も利用したくなりますね。
以前寄ったコンビニではどもったら笑われたことがあるので、そういう店は二度と利用しませんね。
当時はまだ若く吃音に余裕もなかったので、カウンターを蹴飛ばしてしまいました。
今考えるととても恥ずかしいです。
ただ吃音の知識がないだけなのだから、ぐっとこらえてもう来なければいいだけの話でした。
以上吃音者の日常生活の一コマでした。